木曽の御嶽山の突然の爆発で、たくさんの命が失われた。大けがを負った登山者の回復を祈りつつ、60余名の死者の魂には冥福を祈るのみである。自然の美しさは人を至福にする。但し、突然の天変地異は人を奈落の底に突き落とす。ハイリターンゆえのハイリスクの恵みは表裏一体である。心技に円熟した登山家であっても、突然の噴石にはなす術なしということである。直近に地震波が観測されており、事前の策がなぜになされなかったのか・・・と疑問を問う識者もいたが、その真偽は神のみぞ知るということになろうか?要は審議の結果、「すべての活火山は登山禁止」とすれば、事は簡単である。世界文化遺産の富士山も永久に霊山として人の立ち入りを拒むことになる。確かに被害はなくなるが、人間の好奇心や冒険心は止めることは出来ない。
我が職業とする障害者福祉労働は、「心」「技」「体」「知」「忍」の5文字の好奇と冒険に収斂される。「心優しく、支援技術を学び、体力を維持しつつ、知性を重んじ、かつ試練に忍ぶ」労働ということになる。つまり、「ココロ」と「ワザ」の堅持、円熟こそが大切と考える。
しかしながら、障害者福祉労働は、いまだ慈善的な低賃金労働に喘いでいる。しかも、少なからずの福祉労働者が、「使命感」という響きの良い表現に身を委ね、滅私奉公も厭わずという雰囲気を醸し出す。「利用者」は「利用者様」に変化し、顧客満足度の市場原理の中で、現場の閉そく感、疲労感、悲壮感は蓄積される。この解釈の真偽の審議は、読んでいただいた方に委ねるとして、福祉労働者の枯渇、焦燥への打開作戦のご披露である。
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①原則総収入の70%は人件費にまわす。但し将来に向けた内部留保、つまりハードウエアの整備、新事業の自己資金の中長期計画に向けて粛々と蓄積する。
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②年功序列賃金制度を改め、節度ある成果主義年俸制度に組み替える。
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③キャリア、ノンキャリアの二極化した人事体制とする。但し常勤雇用は促進する。
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④時代の制度に答えつつ、法人の経営安定のため収益事業を積極的に取り組む。
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⑤新採用、中途採用、人材発掘・ハンティングの部署を強化する。また人材派遣の専門分野を積極的に活用し、新陳代謝をはかる。但し無闇な天下り登用はご法度とする。
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⑥以上を司る理事会の機能と質の向上に尽力する。
「ココロ」と「ワザ」はどこかに消えてしまったかに見えるが、①から⑥をインクルーシブ(包括)する枠組みが、「ココロ」と「ワザ」である。つまり、障害 者福祉施設を運営、経営するには、「カネ」という魔物を如何に福祉の原点に適って如何にコントロールするかということに尽きる。常に真偽の審議が必要であ り、時代の要請を受け入れつつ、大胆な取捨選択も必要ということである。要は人の道に照らした判断、不採算事業の取捨選択に対する大鉈の可否である。社会 福祉法人に課税の話が聞かれる昨今である。「親方日の丸では生き残れない」と落葉を踏み締めつつ考える霜月の夕暮れである。
スマップの「夜空の向こうに」 にならぬ赤とんぼが乱舞する「夕焼けの向こうに」の光明を期待しつつ・・・。