福山雅治氏のダンロップタイヤのテレビCMに種田山頭火の自由律の俳句が披露されている。
雪へ轍の 一すぢのあと
雪がふるふる 雪見てをれば
1926年(大正15年、昭和元年)4月10日、44歳の山頭火は一笠一鉢の行乞放浪の旅に出る。思い切り解説すれば「世捨て人となり、托鉢(物もらい)の気ままな旅に出る」ということになろうか?但し雲隠れの所在不明ではなく、独自の俳風を究める出家であったのだろう。
総選挙が終わり、案の定与党大勝の中で未年を迎えて一か月。「障害者福祉報酬減額へ」(1月7日の朝日新聞一面)の余波は今のところ不透明だが、長期政権となるであろう安倍内閣総理大臣の下で、数の力は構造改革(コストダウン)を着々と進めると邪推する。山頭火の名句が浮かぶ。
分け入っても 分け入っても 青い山
障害者福祉は予定される一年余カ月後の消費税10%時代を迎えてどうなるのたろうか?山頭火の句に学べは・・・
今日の 道のたんぽぽ 咲いた
あくまでも未来志向を慮りつつ・・・
ほととぎす 明日は あの山 越えて行こう
あくなき前進前進ゆえの使命感の堅持が肝心ということになろうか?
民主党をはじめとする野党側の総選挙敗北は、アベノミクス選挙という土俵に乗ったのが原因と分析していた識者がいたが、まったくアベノミクスの効能に恵まれない障害者福祉の現実を福祉従事者はどうとらえれば良いのだろうか?山頭火に学べば・・・
ひさびさ もどれば 筍にょきにょき
時が流れれば、またサプライズも起こると期待するしかないのかも知れない。
タカ派の狙いは憲法改正である。三分の二の数の力は強大である。こんな行く末は避けなければならない。山頭火は謳う。
月のあかるさは どこを爆撃していることか
雪へ雪ふる 戦ひはこれからだといふ
街はおまつり お骨となって帰られたか
みんな出て征く 山の青さをいよいよ青く
ヘイトスピーチに危険ドラック。振り込め詐欺に原発の再稼働・・・。四年前の東日本大震災の「絆」は劣化気味だが、ここは踏ん張りどころの未年である。季節感を無視しつつ、山頭火に勇気をいただき拙稿を終える。
あざみ あざやかに あさのあめあがり