2022.12.10

今回は、グループホーム「ひだまり」特集です!。来春竣工に向けて、全面改築工事スタート!

(1) 制度転換期に生まれたGHひだまり

① 平成18年2月に開所した「ひだまり」 は、(福)愛の森にとって3つ目のグル ープホームです。この年は、制度の抜 本的見直しにより「障害者自立支援法」 が施行された年でもあり、主な改正テ ーマとして、一元的なサービス提供の 実施、就労移行支援、地域生活支援 の充実強化、等がありました。

② 従来の2つGH(あずさ寮・すみれ 荘)は、地域にお住いの方々を入居対 象としておりましたが、「ひだまり」の運 営開始に際しては、制度の転換期にあ ることを強く意識し、「愛の森学園」の入 所者さんの地域移行も視野に入れたGHとして企画し、学園のある森の里からはやや離れて いたものの、鳶尾2丁目にあった手ごろな物件において、「ひだまり」の運営を開始しました。

③ 定員5名でスタートしたGHひだまりは、増室を経て現在の定員6名となりますが、これまで に、学園入所利用者さんのうち5名の方が、「ひだまり」への移行を果たしています。  

  (2) 賃貸契約終了の要請と、新たな場所探し、そして、現地建替えへ
① 法人3つ目のGHとして新たな役割も担いつつ順調にスタートした「ひだまり」ですが、土地・ 建物のオーナーさんの高齢化等により、立退きか買取りを求められるようになりました。
② 利用者さんとしても、法人としても、賃貸借契約の連続更新という形がよかったのは事実で すが、オーナーさん側の事情を最終的には受け入れることとし、紆余曲折を経て、令和4年3 月末が、契約期限として定められました。
③ そして法人では、これまで同様、市内に適 当な賃貸物件がないかリサーチしましたが、 少子化がより一層進んでいる現在、世話人室 を含め7部屋以上の部屋が確保できる優良物 件は見つからず、また、法人自らGHを建設す るとした場合の、利便性が高くて購入可能な 価格の土地、も見つかりませんでした。
④ 「ひだまり」の行先がない、ということで途方に暮れていたとき、現在、新ひだまりの設計 をしてくださっている設計士の茂木(もてぎ)先生に現地を見て頂いたところ、「引っ越すのはも ったいない、住宅地としてよい場所だし、ポテンシャルもある。」とのご指摘をいただき、様々 なリサーチを経て、急遽、土地の購入、新GH の現地建替え、という方針が決まったのでした。

  (3) 基本設計、実施設計、そして、工事請負事業者さんの決定
① このような経緯から、設計は、医療福祉建築に大変に造詣 が深い、茂木聡先生(ライフデザイン建築研究所@秋田市) にお願いすることとし、令和3年6月から設計が始まりました。
② 当初の令和3年度補助金事業から、令和4年度事業に変 更したこともありますが、この規模の施設の設計期間として はかなりの時間をとり、また、綿密な検討を行っています。

③ 茂木先生のご提案で、利用者さんのヒア リングをしたり、各種設備の幅・奥行・動線等 の検討に際しては活動スペースで実際に 縄張りをし、原寸大を実感しつつ決めていく 等、学園スタッフは「福祉施設の丁寧な設 計」という貴重な経験を味わっています。
④ 諸経費高騰の折、入札時は緊張しましたが、工事請負事業者さんも木造建築に強いとの評 判の㈱ヤマムラ様(本社:山形県新庄市)に決定し、11月1日(火)工事着手、17日(木)地鎮祭等、 現場は本格的に動き出しています。 

(4) 利用者さんへの工事中の安全配慮
① 今回の工事での大きなポイントの 一つ目は、利用者さんが日々生活さ れている現ひだまりの手前で工事を する、ということです。 ② このため、例えば、工事中の仮設 通路の設置一つをとっても、 イ 配慮が必要な利用者さんには事 前に体験していただいたうえで材質 や設置方法を決定し、  世話人は勿論、通所事業所の送迎 関係者の方にも変更を周知する等、 設計の先生と建設会社任せにはせ ず、利用者さん、役職員がともに各々の立場で必要な対応を行っています。  

 

(5) 利用者さんの特性、お好み、などを十分に配慮した設え(しつらえ)の創出
① 二つ目の大きなポイントは、今、お住まいになっている利用者さんのニーズをどれだけ反 映させられるか【個別性】、一方、将来の利用者さんも含めた一般的なニーズ【汎用性】との兼 合いについて、どのように折り合いをつけていくか、ということになります。
② 現ひだまりの利用者さんには、さまざまなニーズがあります。静謐を好む方、にぎやかで社 交的な方、聴覚が過敏な方、視覚が不自由な方、等々。
③ 利用者さんヒアリングを通じた個別性把握と、設計の先生の長年の知見に裏打ちされた汎用 的な設えが、うまく組み合わさったものになればよいな、と考え、現場に入ったいまも、内外装か ら作り付け家具、コンセントの位置に至るまで、必要なものにはこだわっていく予定です。 ⇒ 来年3月竣工、4月お引越し、です。今から来春が楽しみです!
[國分 隆之、遠藤 岳洋]  

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