愛の森学園の感染症対策は、案件により嘱託医の先生等のご指導・ご教示を受けつつ、関係役職員により構成される衛生委員会で議論を重ね、決定・推進されます。
新型コロナ対策についていえば、国内発生第1例の直後にまとめた初期対策に始まり、デルタ株が猛威を振るった令和3年秋から冬にかけての最も厳格な対策を頂点に、直近では、昨年5月の5類移行に伴って対策を緩和し、昨秋にも若干の見直しを行って現在に至っています。
5類移行から1年余が経過した現在、コロナを侮ってはいけないものの、昨今の市中感染状況や現在のウイルスの毒性などに鑑みれば、そろそろ、もう一段の見直しを行い、感染症対策が生活の質に影響を与えている部分については是正したいところでもあります。
生活の質に大きな影響を与える感染症対策の主なものといえば、面会制限とマスク装着などが挙げられると思いますが、我が学園では、デルタ株最盛期以外は、ほぼ、家族等との面会制限は行いませんでした。一方のマスクは、現在も、職員に業務従事中の装着義務を課しています。
不織布マスクの適切な装着は、100%の感染症対策がないなか、一定の効果があるものとして推進されてきましたが、一方で、一部の自閉症の方々における感覚処理に影響があったり、口元を含む表情の確認による円滑なコミュニケーションに難が生じたり、と、利用者さんの生活の質に直結する課題が多いのも事実です。
安全安心第一は勿論ですが、それによる生活の質の低下についてもきちんと議論をし、「注意深くしながら過ごす平時」の対策がまとめられないか、と思案している昨今です。 [國分 隆之]